うさぎの飼い方


1.うさぎについて 


うさぎの寿命は6年〜10年程と言われていますが、中には15年以上長生きする子もいます。性格も様々で、警戒心の強い子、おおらかな子や人懐っこい子、かまってちゃんなど、色々な子がいます。一緒に生活していくと、だんだんその子の性格がよくわかってくるので、好きな事や嫌な事を理解してあげて、その子に合った環境を整えてあげて快適に暮らせるようにしてあげましょう。


2.飼育に適した環境


うさぎは寒さには強いほうですが、暑さや湿度の高い環境が苦手なので、部屋の温度湿度はエアコンなどでしっかり管理してあげてください。騒がしい環境や落ち着けない場所ですと、ストレスで体調を崩すこともあるので、ケージを置く場所もよく考えて決めてあげましょう。


3.飼育に必要なもの


  • ケージ・・・狭すぎず広すぎず、その子の体格に合ったサイズのもの。寝そべる事ができる余裕あるスペースの物を用意してあげてください。
  • トイレ・・・うさぎは自分で決めた所で排泄する習性があるので、トイレがあるとケージ内を清潔に保ちやすく、お掃除が楽になります。
  • 水入れ(給水ボトル)・・・うさぎは思っている以上に水を飲みます。毎日綺麗なお水を入れてあげましょう。
  • 牧草入れ・・・メインのお食事となる牧草を入れておくものです。ケージに固定できる物が便利です。
  • エサ入れ・・・牧草以外にも、栄養が偏らないようにカリカリのペレットをあげます。齧ったりひっくり返されないような重みのある頑丈なものか、ケージに固定出来る物を選ぶといいでしょう。
  • 牧草、ペレット・・・うさぎの歯は一生伸び続けるため、しっかりと歯を使って食べられる牧草をメインで与える事をオススメします。ペレットはベビー〜シニアまで栄養や食べやすさを考えられたものが色々とありますので、その子に合う好みの物を選んであげてください。
  • ペットシーツ、トイレ砂・・・うさぎの尿は時間が経つとアンモニア臭がきつくなります。清潔を保つために毎日交換してあげましょう。
  • 爪切り・・・約2ヶ月置きに伸びた爪をカットしてあげてください。暴れて難しい場合は動物病院で切ってもらいましょう。
  • オモチャ、おやつ・・・うさぎさんによってはボールやぬいぐるみで遊ぶ子もいます。おやつも喜ぶ子もいるので、コミュニケーションの一環として与えてあげると仲良くなりやすいです。与えすぎは肥満の原因になるので気をつけましょう。
  • ペットサークル・・・部屋んぽの際に大切なものを齧られないようにするために、サークルで囲って遊べるスペースを作ってあげると、ストレスや運動不足の解消にもなります。
  • 温度計・湿度計・・・部屋の温度管理のため、目に見える場所にあると便利です。
  • 保温器(ペットヒーター)・・・冬場は冷えるので用意してあげましょう。

かかりやすい病気・ケガ



1.不正咬合・・・先天性によるものや、ケージ齧りやケガなど原因は様々ですが後天性でもなる可能性があります。歯が異常な方向に生えることによって噛み合わせが悪くなります。

噛み合わせが悪いと食事などに影響し、結果として他の病気を引き起こすこともあります。

不正咬合は飼い主が自分で対処することはできないため、動物病院に連れて行って定期的に歯をカットしてもらう事になります。



2.毛球症・・・毛づくろいなどで誤って毛を飲み込んでしまい、溜まった毛で胃腸の働きが低下してしまう病気のことです。毛球症を予防するためには、腸を動かすために長めに部屋んぽをさせてあげたり、こまめにブラッシングや、ケージ内の抜け毛を綺麗に掃除してあげましょう。
場合によっては命にかかわるケースもあるので、普段からフンの量や大きさ、特に換毛期の体調変化などをしっかりと観察してあげてください。フンが小さくなったり元気がなく食欲が低下した時は動物病院に行く必要があります。


3.斜頸・・・斜頸は、うさぎの頭が一方に傾いた状態を表すことばで、病名ではありませんが、すべてのうさぎに発生する可能性があります。主な原因は、細菌や寄生虫の感染によるものです。
(1) パスツレラ感染による内耳炎
口腔から耳管を通って細菌が浸入し、内耳に膿が形成される。パスツレラが原因の場合には斜頸と同時かそれより前にくしゃみ等のスナッフル症状がみられることがあります。斜頸症状の進行の遅い場合は斜頸のまま長期にわたって元気に過ごす場合もあります。進行が早い場合には、眼球の揺れ(眼振)がみられ、さらにローリングと呼ばれる体が横に転がるようになると、うさぎは自分で姿勢を保てなくなり、食べることが難しくなります。
また、パスツレラが全身に広がれば腹膜炎、肺炎などをおこして死に至る場合もあります。

(2) エンセファリトゾーン病
寄生虫の感染により脳炎をおこして斜頸となります。発病当初は、小首を傾けるようなポーズにみえます。症状が斜頸だけの場合は、通常食欲は正常です。エンセファリトゾーン感染の場合は、さらに痙攣や麻痺などをおこし、腎不全により死亡することがあります。
これらの症状があった場合はすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。

4.スナッフル・・・うさぎが呼吸器疾患を患ったときには鼻水やくしゃみ、涙目などの症状が現れます。このような症状は総称してスナッフルと呼ばれていて、原因としてはパスツレラ菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌などが鼻腔内に感染することで、上部気道で炎症が起きることでなります。原因不明の場合、不正咬合からくるものもあるので、

うさぎの異常な呼吸音や、鼻からズーズー音がして鼻水が出ていたら、早めに動物病院へ受診してください。



5.子宮癌・・・メスうさぎは子宮癌になりやすい動物です。特に3歳以上の子に多くみられます。子宮癌にかかると、陰部からの出血のほか、貧血、食欲低下などの症状がみられます。子宮癌は避妊手術を受ければ予防することができます。


6.骨折・・・うさぎの骨はとても折れやすいので、ケージの金網に足を引っかけたり、高いところから飛び降りたりした時などに骨折することがあります。歩き方がおかしかったり、あまり動かなかったり、尿や糞をしなかったりするなどの異常がある場合には、骨折を疑う必要があります。手足の骨折のほか、後ろ足を勢いよく蹴り上げる動作などで腰の骨を折る場合もありますので、抱きかたには注意しましょう。


7.皮膚病・脱毛・・・ノミやダニなどの寄生が原因で、うさぎの体にフケや脱毛などの症状がみられることがあります。そのほか、床材が硬かったり、太っていたりすると、足裏部分に負担がかかり、毛が抜けるソアホック(足底皮膚炎)を引き起こす場合もあります。また、ストレスが溜まると自分から毛をむしる事もあるので注意しましょう。